内窓のデメリット、正直に言います|一級建築士が現場で見た後悔しない選び方
内窓は、補助金も使えて比較的手軽な窓の断熱リフォームとして、今とても注目されています。
ただ、一級建築士として正直に言わせてください。
「内窓を入れたのに、思ったより暖かくならなかった」「冬になってもまだ寒い」というご相談が、現場では後を絶ちません。
これは内窓の性能が低いのではありません。「内窓に何を期待するか」を最初に整理せずに施工してしまうことが原因です。
この記事では、内窓の正直なデメリットを整理した上で、「どんな目的なら内窓で十分か、何と組み合わせると効果が出るか」まで、一級建築士の視点でお伝えします。
内窓の基本的なデメリット5つ
まず、内窓設置で起こる実用上のデメリットから確認しましょう。
開閉の手間が2倍になる
内窓を設置すると、外窓と内窓の2枚を開け閉めする必要があります。
頻繁に窓を使う場所では、毎日の動作に地味なストレスが積み重なります。特に高齢のご家族がいるご家庭や、通気を重視する夏場は「付けたけど面倒で内窓をほとんど開けていない」という声も少なくありません。
外窓と内窓の間が掃除しにくい
2枚のガラスの間に空間が生まれるため、そこにホコリや汚れが溜まります。
掃除しようとしても奥まった空間で手が届きにくく、「見えているのに拭けない」という状況が発生します。美観を気にされる方には、想定外のストレスになることがあります。
窓台の奥行きが必要
内窓を取り付けるには、既存の窓枠(窓台)に一定の奥行きが必要です。
奥行きが足りない場合はアタッチメントと呼ばれる補助部材で対応できますが、仕上がりに多少の段差が生じます。また、窓台に小物を置いていた方には、スペースが狭くなる不便さが生じます。
カーテン・ブラインドと干渉する場合がある
内窓は室内側に設置されるため、既存のカーテンレールやブラインドと位置が重なることがあります。
取り付け前に干渉物の確認が必要で、場合によってはカーテンレールの移設が発生します。追加費用が生じるケースもあるため、事前に確認することをおすすめします。
すべての窓に設置できるわけではない
天窓・丸窓・特殊形状の窓には対応できないケースがあります。また、窓台の劣化が著しい場合や、窓自体のサイズが規格外の場合も施工が難しいことがあります。
多くのリフォーム会社が説明しない「知っておきたいこと」
ここからが、私が最も伝えたいことです。
上で挙げた5つは「内窓を使う上での不便さ」です。それとは別に、断熱目的で内窓を検討している方に、事前に知っておいてほしいことがあります。
断熱が目的なら「施工の範囲」と「組み合わせ」で効果が変わる
住宅から逃げる熱の割合を、部位ごとに見てみましょう。
- 窓:約30〜40%
- 天井・屋根:約25〜30%
- 外壁:約15〜20%
- 床:約7〜10%
窓からの熱損失は大きく、断熱改善の効果が出やすい箇所です。部屋の窓を対象に内窓を設置することで、体感変化を得られるケースは十分にあります。
一方で、「窓以外からも60〜70%の熱が逃げている」という点は、事前に知っておいてほしいことです。
断熱性能は、最も弱い部分の性能で決まります。
これを建築では「熱橋(ねっきょう)」と呼びます。鎖の強さが最も弱いリングで決まるのと同じ原理です。「リビングの窓全部に内窓を入れたのに、床下が冷えている」という状況では、体感変化が限定的になることがあります。
「窓断熱だけで十分か、床下や天井裏と組み合わせるべきか」は、住宅の状態によって異なります。これは実際に建物を見てみないと判断が難しいところです。
「内窓をしても結露が消えないケース」
内窓の効果として「結露対策」が挙げられることが多いですが、設置環境によっては逆に問題が起きることがあります。
内窓を設置すると、外窓と内窓の間に空間ができます。この空間に室内の暖かい湿った空気が入り込むと、冷たい外窓のガラス面で結露が発生します。
これは「外窓側への結露移動」とも言える現象で、結露が見えにくい場所に移動してしまうケースです。
特に気密性(C値:住宅のすき間の小ささを表す数値)が低い古い住宅では、内窓と外窓の間に室内空気が入り込みやすく、この現象が起きやすくなります。
「内窓を入れたのに窓まわりが白く曇る」という場合は、外窓側で結露が起きている可能性があります。
それでも内窓が有効なケース
正直にデメリットをお伝えしましたが、内窓は決して「意味がない」ものではありません。
適切な目的と条件のもとで施工すれば、確実な効果が期待できます。
内窓が特に有効なケース:
- 防音が主目的(工場・幹線道路沿いの住宅)
- 防犯の強化(二重ロックによる空き巣への抑止)
- 部分的な体感改善(リビングだけ先行して対策)
- 補助金の活用と合わせた予算の有効活用
一方で、「冬の寒さを根本的に解決したい」「光熱費を大幅に削減したい」という目的なら、内窓単体ではなく、床下・天井裏・窓をセットで改善する包括的な断熱リフォームが必要です。
窓の断熱は断熱改善の入口です。床下と天井裏と組み合わせて初めて、住まい全体の快適さが変わります。
後悔しない内窓リフォームのチェックポイント
内窓を検討している方が確認すべき3点です。
1. 目的を明確にする
「防音目的」「予算の範囲で少し改善したい」なら、内窓は合理的な選択です。「根本的に暖かくしたい」なら、床下・天井裏の断熱も視野に入れた上で計画してください。
2. 施工箇所の優先順位を確認する
住宅によっては、窓より先に「床下断熱」を改善した方が費用対効果が高いケースがあります。住宅全体の熱の逃げ方を診断した上で、優先順位を決めることが重要です。
3. 気密性(C値)を把握する
建築年が古い住宅(おおむね1990年代以前)は、気密性が低いケースが多く、内窓の効果が出にくい傾向があります。気密性を高める改善と並行して施工することを検討してください。
よくある質問
Q. 内窓の補助金はありますか?
2026年現在、「先進的窓リノベ2026」という国の補助金制度があり、内窓設置も対象になっています。補助率は工事費の最大50%(上限あり)です。ただし、申請条件や対象製品の要件があるため、施工会社に確認することをおすすめします。
Q. 賃貸住宅でも内窓は付けられますか?
原則として大家さんの許可が必要です。ただし、取り外し可能なDIY内窓であれば、退去時の原状回復を条件に許可されるケースもあります。契約内容を確認した上で、管理会社や大家さんに相談してみてください。
Q. 内窓を1か所だけ付けるのは効果がありますか?
防音・防犯目的なら1か所でも一定の効果があります。断熱目的なら、対象の部屋の窓全体に施工し、かつ床下・天井裏の断熱改善と組み合わせることをおすすめします。「1か所だけ」では体感変化が得られにくいのが現場の実態です。
まとめ:内窓の効果を最大化するために
内窓は、防音・防犯・予算内での断熱改善など、目的に合った使い方をすれば確実に効果が出るリフォームです。
「家全体を根本的に暖かくしたい」という目的であれば、窓だけでなく床下・天井裏も含めた計画を立てることで、内窓の効果もより引き出しやすくなります。
「内窓を検討しているが、自分の家には内窓だけで十分か、他の箇所も一緒に考えた方がいいか知りたい」という方は、まずお気軽に無料診断をご活用ください。
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