蕎麦もうどんもやってる店よりも、○○蕎麦、○○うどんの方が、うまい。
提供してるラーメンの種類が多すぎるラーメン屋より、塩なら塩って、こだわってるラーメン屋の方がたいてい美味しい。
食べ物の話に聞こえるかもしれませんが、断熱リフォームも同じだと私は思っています。家の工事にはいろいろな種類がありますが、何を大事にして、どこに時間と知恵を使っているかで、提案の中身は変わってくるんです。
この記事でわかること
- 断熱リフォームの専門店が大事にしていること
- 「なんでもできます」という言葉への私の考え
- デザインが得意じゃない分、断熱でどこまで深く対応できるか
- 壊す工事と壊さない工事で変わる優先順位
- 断熱性能を整えるために見る場所と工事の考え方
1. 夏涼しく冬暖かい家をコスパ良く目指すなら断熱専門店

夏は暑く、冬は寒い。毎日暮らす家の悩みとしては、とても切実なことです。
だからといって、何でもかんでも新しくすればよいわけではありません。家全体を大きく変える工事には、それに見合った費用も時間もかかります。物価も上がってきているので、費用を抑えながら暑さや寒さを何とかしたいと考えるのは当然ですね。
断熱リフォーム相談室が考えているのは、その家にとってコスパの良い断熱性能です。
見た目を大きく変えることより、夏涼しく、冬暖かく過ごせる家へ近づけること。そのために何を優先するかを考えます。すべてを新しくするのではなく、暮らしの中で感じている不便に対して、できるだけ無駄のない方法を探すんです。
断熱リフォームの専門店に頼む理由は、まさにここにあると思っています。
2. 「なんでもできます」に感じる違和感と専門性の価値

けっきょく「なんでもできます」って、「何もできない」って言ってるのに近いんじゃないかって気さえする。
もちろん、幅広い工事に対応できること自体が悪いわけではありません。家のことをまとめて任せたい方にとっては、心強い会社もあるはずです。
ただ、工事にはそれぞれ深さがあります。断熱のことを考えるなら、天井裏や床下の状態、窓から出入りする熱、見えない場所の空気の流れまで見ていかなければなりません。表面だけを見ていても、家の中で何が起きているかはつかみにくいんですよね。
私は住宅業界で30年以上仕事をしてきましたが、家は一軒ごとに違います。同じように寒そうな家でも、床下からの冷気が大きい家もあれば、天井裏の断熱が足りない家もある。窓の影響が大きいこともあります。
餅屋は餅屋です。断熱だけを深く見続けて、その家で何を先に整えるべきかを考える。そこに専門性の価値があると考えています。
だから私たちは、得意ではないことも正直に言います。
3. デザインは得意じゃない。そのかわり断熱はマニアックに

断熱リフォーム相談室は、正直にいって、デザインとか間取りを変えるのは得意じゃないです。
私自身はインテリアコーディネーターでもあり一級建築士でもあります。でも、オシャレな家にフルリノベーションするような工事の経験は、それほど多くありません。
そればっかりやっている人とは、経験値の積み上げが違うんです。デザイン性の高い空間づくりを専門にしている会社なら、私たちには思いつかない提案もあるでしょう。そういう領域では、提案不足のようなところも出てくるのかなと思います。
そのかわり、断熱に関しては、相当マニアックなところまで対応できます。
たとえば、気流止め。壁の中を通る空気の流れを止める施工のことです。私がこの言葉を知ったのは10年ほど前ですが、今では床下や天井裏に入ったら、たくさんある確認項目の中でも、まず気にするのが気流止めがあるかどうかです。
古い断熱材がまだ使える状態なら、捨てずに気流止めとして生かし、元の場所には新しい断熱材を入れる。断熱材だけでなく、下地材や気密テープ、ウレタンも使い分けて、空気の通り道をふさぐ。そんな細かいところまで、現場ごとに考えます。
床下にも天井裏にも入れない家なら、想像だけで工事の計画は立てません。点検口を付けてから中に入り、できるかぎり自分の目で見ます。サーモグラフィーや風量計といった器具も使って、熱や空気がどこから出入りしているのかを確かめます。
デザインの引き出しは多くない。でも、断熱の引き出しはとことん深い。得意じゃないことを正直に言えるのは、得意なことがはっきりしているからです。
デザインを優先する会社と、性能を優先する私たち。どちらが上という話ではなく、住む人が何を望むかで選ぶ場所が違うんですね。
4. 性能・長持ち・デザインで優先順位を選ぶ工事

いつも一緒に仕事をしている気心の知れた職人さんたちは、デザインの美しさよりも、性能がちゃんと出るか、長持ちするかを気にしています。
見えない場所に断熱材を入れる工事は、完成後に見た目の変化を感じにくいかもしれません。それでも、断熱材がきちんと役目を果たすか、空気が思わぬところから動かないかは、工事の後の暮らしに関わる部分です。
工事をしていると、どちらかを優先して、どちらかを犠牲にしないといけない場面が何度も出てきます。見た目を優先すれば性能面で工夫が必要になることもある。反対に、性能を優先すれば、希望どおりのデザインにできない部分が出ることもあります。
すべてを手に入れられたら一番よいのですが、現実の工事ではそう簡単にはいきません。何を優先するのかを曖昧にしないことが大事ですね。
5. 全部壊してやり直すかに表れる住まいの価値観

家を全部壊してやり直すという選択もあります。間取りも内装も設備も含めて大きく変えられるので、そういう工事が必要な家もあります。
ただ、古いから壊せばいいと簡単には言えないのも事実です。
家には、住んできた時間があります。住んでいる本人が気づいていなくても、残したい場所や手放しにくい思い出があるものです。
断熱のために必要以上の解体をするより、壊さずにできる方法をまず考える。私は、その姿勢を大切にしています。
壊さないことは、性能をあきらめることではありません。
全部を直せなくても、どこに断熱を入れ、どこで空気を止め、何を優先するかを考えれば、できることはあります。理想と現実は違いますから、その家にとってのコストパフォーマンスを考え抜くことが必要なんです。
6. 断熱性能を整えることが暮らしにどう関わるか

私たちは、見えるところを大きくつくり替えるより、断熱性能を整えることにこだわっています。
暑い時期にも寒い時期にも、家の中で感じる負担が少しでも軽くなること。朝、布団から出るときや、部屋から廊下へ出るときに感じるつらさが変わること。断熱は、こういう毎日の感覚に関わっています。
実際、断熱リフォームをした方からは、
「布団から出るのが楽になったので、朝の時間が増えたかんじ」
「風邪をひかなくなった」
「あきらかに光熱費が安くなったので、早くやればよかった」
という声をいただいています。
室温のことだけでなく、暮らしやすさを支える見えない土台として断熱を考えている方がいるのは、私にはうれしいことです。
では、その見えない土台を、私たちがどんな工事で整えているのか。簡単にお伝えします。
7. 私たちの工事は、天井裏・床下・内窓・気流止め

天井裏と床下の断熱材、内窓、そして気流止め。私たちの工事は、この4つが中心です。壁は開けません。内装を壊さず、そのまま暮らしながら断熱できる「そのまんま断熱」です。
それぞれの工事の中身は「戸建ての断熱リフォームにはどんな方法がある?」で、気流止めは「気流止めとは?古い木造戸建てで断熱材と一緒に確認したいこと」で、詳しくお話ししています。
見えないところを見て、壊さずに整える。そのために断熱だけを考え続けることに、私は意味があると思っています。
8. 餅屋は餅屋。断熱は断熱の専門店に
蕎麦なら蕎麦にこだわる店。塩ラーメンなら、塩にこだわる店。けっきょく、おいしいのはそういう店なんですよね。
断熱リフォーム相談室も同じです。デザインや間取り変更は捨てて、コスパの良い断熱性能に振り切っています。そもそも壊さないし、見えるところは工事しない。そのかわり、断熱性能を上げて、それを長く保つことで、毎日の暮らしを安全で快適にする。ここには、とにかくこだわっています。
これが、専門店に頼む理由です。餅屋は餅屋。
夏涼しく、冬暖かい家に、コスパ良く住みたいなら、断熱工事の専門店に頼んだ方がいい。私は、そう言い切ります。
壊しすぎずに断熱性能を整える考え方について、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。


