夏になると、エアコンをつけていても窓の近くが暑い、午後から部屋の温度が上がってくる、と感じることがあります。
そんなとき、すだれを掛けるだけで本当に変わるのかと思うかもしれません。大がかりなリフォームではありませんが、昔から使われてきたものには、暑さをしのぐための理にかなった工夫があります。
すだれは断熱材ではありません。ただ、窓から入る強い日差しを外で遮るという意味では、夏の暑さ対策として取り入れやすい方法なんです。
この記事でわかること
- 夏に窓まわりが暑くなりやすい理由
- すだれが日差しを遮る仕組み
- 断熱と遮熱の違い
- すだれを掛ける位置で変わること
- すだれの値段の相場と、費用を抑えて始められる暑さ対策
1. 夏の暑さは窓から入る日差しで強まりやすい

夏の部屋が暑くなる理由は、外の気温だけではありません。窓から差し込む日差しも、室内の暑さを強める大きな要因になります。
窓は光を入れ、外を見られる便利な場所です。その一方で、日差しが床や壁、家具に当たると、それぞれが温まり、部屋に熱がたまりやすくなります。
朝は気にならなくても、西日が入る時間になると急に暑く感じる部屋もありますね。エアコンをつけても窓際だけ暑いなら、冷房の強さだけではなく、どの窓にどんな時間帯の日が当たっているかを見る必要があります。
実は、窓から入る夏の太陽の熱は、思っている以上に大きいんです。
幅1.6m・高さ2mの掃き出し窓に直射日光がしっかり当たると、入ってくる熱はおよそ600Wになるそうです。電気ストーブは、弱で400W前後、強で800W前後のものが多いので、窓1枚で電気ストーブ1台分の熱が入ってくる計算になります。真夏に、ストーブをつけたまま冷房しているようなものですね。
サッシの業界団体である日本サッシ協会の資料でも、昔ながらのアルミサッシの家では、夏の冷房時に入ってくる熱の73%が窓などの開口部からだと紹介されています。
暑さ対策は、室内に入った熱を冷やす前に、入ってくる日差しを減らせないか考えるところから始まります。
2. すだれは窓に木陰をつくるもの

すだれの役割は、窓の外側に影をつくることです。
日なたに置いたものと木陰に置いたものでは、触ったときの熱さが違いますよね。すだれは、窓に木陰をつくるようなものだと考えるとイメージしやすいかと思います。
窓へ直接当たる日差しを弱めれば、ガラスや室内の床・壁が受ける熱も少なくなります。室内側のカーテンもまぶしさを抑える役には立ちますが、日差しがガラスを通った後です。暑さを抑える目的なら、外で影をつくる意味は大きいですね。
ただし、すだれならどの窓でも同じように感じられるわけではありません。日が当たる向きや時間、すだれの素材、窓との距離でも違ってきます。日差しがほとんど入らない窓に掛けても、変化はわかりにくいものです。
次は、すだれに期待できることを、断熱との違いから見ていきます。
3. すだれは「断熱」より「遮熱」と考える

断熱と遮熱は似た言葉ですが、役割は違います。
断熱は、外の暑さや寒さが室内へ伝わる速さをゆっくりにすることです。冬に上着を着て、体の熱が逃げにくくなる感覚に近いですね。
遮熱は、暑くなる原因の日差しを受けにくくすることです。夏に帽子をかぶったり、日陰に入ったりするのを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
| 考え方 | 主に抑えたいこと | 身近なたとえ |
|---|---|---|
| 断熱 | 熱が伝わる速さ | 上着で体温を逃がしにくくする |
| 遮熱 | 日差しによる熱 | 帽子や日陰で日差しを避ける |
| すだれ | 窓へ当たる日差し | 窓に日陰をつくる |
すだれは窓そのものの性能を変えるものではないので、断熱効果というより遮熱の工夫として考えるのが自然です。
だから、冬の冷え込みまで解決するものではありません。一方で、夏の日差しが強く入る窓には、まず試してみる価値がある方法なんですよね。
4. 掛けるなら、外側で安全に使う

すだれを使うなら、基本は窓の外側です。日差しがガラスに届く前に影をつくれるからです。
どのくらい違うのかというと、京都府立大学の松原斎樹さんによれば、すだれを窓の内側に掛けると熱の約半分が室内に入ってくるのに対し、外側に掛ければ2割程度に抑えられるそうです。同じすだれでも、掛ける場所で効き目がまったく変わるんですね。
出典:「暑さ対策の『すだれ』 窓の外と内、どっちが効果的?」(日本経済新聞 NIKKEI STYLE)
とはいえ、ただ外に掛ければよいわけではありません。風で外れたり、あおられて窓や外壁を傷めたりしないよう、固定する場所は確かめる必要があります。特に強い風が吹く日や台風が近いときに、そのままにしないことも大事ですね。
窓の開け閉めを妨げないか、室外機の風をふさいでいないかも見ておきたいところです。暮らしに合わない掛け方では、せっかく用意しても続きません。
私は断熱リフォームを考えるときも、何かを足す前に、まず家にどんな熱が入り、どこから逃げているのかを見ます。すだれも同じで、日差しが気になる窓を一つ選び、実際に影ができる時間を見ながら使うのがおすすめです。
5. 昔からの知恵を、今の家に合わせて使う

すだれは新しい設備ではありません。それでも長く使われてきたのは、風を通しながら日差しを避けるという目的に合っていたからでしょう。
今の家では、窓の形や外壁との取り合いによって、昔のように掛けにくいこともあります。それでも、日差しを室内へ入れる前に抑えるという考え方は変わりません。
では、すだれはいくらくらいで買えるのでしょうか。ホームセンターのコメリの通販サイトでは、次のような価格でした(2026年10月時点・税込)。
| すだれの種類 | サイズ(幅×高さ) | 価格 |
|---|---|---|
| 腰窓向け | 88×112cm | 348円 |
| 掃き出し窓向け | 88×180cm | 498円 |
| 大きな窓向けのワイド幅 | 176cm幅 | 748円〜 |
| 丸竹をいぶした少し良いもの | 88cm幅 | 598円〜 |
| 掛けるための金具(すだれハンガー) | — | 548円〜 |
金具を足しても、窓1か所あたり千円前後から始められます。とにかく安い!
電気ストーブ1台分の熱を、千円ほどの道具で減らせると考えると、すだれは最高にコスパのいい暑さ対策だと思います。
出典:コメリドットコム「ブラインド・すだれ」(2026年10月2日確認)。価格は変わることがあります。
暑さがつらいからといって、すぐに大きなリフォームを決める必要はありません。屋根からの熱や窓の大きさなど、暑さの原因が重なっている家もありますが、まずは日差しの強い窓に影をつくり、暮らしの中で変化を見てみる。そうした小さな工夫も、家の暑さを考える入口になるんです。
すだれの遮熱と断熱の違いをもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。


