高齢者がリフォームで仮住まいするデメリットとは?

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家が寒い、廊下や脱衣所に出るのがつらい。これから先もこの家で安心して暮らすために、断熱リフォームを考える方は少なくありません。

ただ、工事となると仮住まいが必要になると思い、そこで話が止まってしまうことがあります。費用も気になるところですが、高齢者の方にとっては、お金だけでは測れない体力や気持ちの負担もあります。

快適で健康な暮らしを手に入れるための工事なのに、その前の仮住まいで心身をすり減らしてしまう。それは避けたいことです。仮住まいのデメリットをきちんと見たうえで、住みながら進められる方法も考えていただきたいと思います。

この記事でわかること

  • 仮住まいにかかる費用と見落としやすい出費
  • 二度の引越しが高齢者の方に与える負担
  • 慣れない住環境で起こりやすい心身の変化
  • 急いで借りる仮住まいの寒さへの心配
  • 住みながら断熱リフォームを進める考え方

1. 快適で健康な暮らしは、仮住まいの負担から考える

高齢者 デメリットの快適で健康な暮らしは、仮住まいの負担から考えるを表す図解イラスト

断熱リフォームを検討する理由は、単に家をきれいにしたいからではないはずです。冬の寒さをやわらげたい、夏を少しでも過ごしやすくしたい、これからも自宅で元気に暮らしたい。そうした思いが出発点になることが多いと思います。

ところが、大きく壊す工事を前提にすると、仮住まいと引越しが必要になります。まだ元気だから大丈夫と思っていても、家の中にある物を分け、箱に詰め、慣れない場所で暮らし、また元に戻す。この一連の作業は想像以上に大変です。

私は若い頃、工事に伴う仮住まいの期間中に体調を崩され、新居の完成を見ることなく亡くなられたお施主様を目の当たりにしたことがあります。会社で仕事中にかかってきた1本の電話。それは息子さんからでした。
「実は、先日、母が倒れて、そのまま亡くなってしまいました…」
そのショック、その経験は、今も忘れられません。

健康のために行うリフォームの過程で、健康を損ねてはいけない。私はこのことを大事にしてきました。だからこそ、工事そのものだけでなく、仮住まいまで含めて無理のない計画かを考える必要があります。

2. 仮住まいで増える家賃・初期費用・荷物保管費

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仮住まいには、家賃だけではない費用がかかります。敷金や礼金といった初期費用、二度分の引越し費用、必要に応じてトランクルームなどの荷物保管費も考えなければなりません。

家具や家電をすべて仮住まいへ運べるとは限りません。荷物を減らそうとしても、長年暮らしてきた家には、簡単には手放せない物があります。思い出の品や季節ごとの衣類、来客用の布団など、置き場所を考えるだけでもひと仕事です。

さらに、電気・ガス・水道、郵便物、住所変更などの手続きも出てきます。一つひとつは小さなことに見えても、重なると気持ちに余裕がなくなります。

仮住まいにかかる費用が数十万〜100万円以上になることもあります。その金額をどう使うかは、家ごとに違います。ただ、仮住まいのためだけに必要になる費用と考えると、その分を断熱をさらに強化したり他の費用に回せないかと考えるのは自然なことです。

3. 二度の引越しと荷造りが高齢者に与える負担

仮住まい デメリットの二度の引越しと荷造りが高齢者に与える負担を表す図解イラスト

引越しは、荷物を運ぶ日だけが大変なのではありません。その前から、何を持って行くか、何を預けるか、何を処分するかを決める作業が始まります。

3-1. 仕分けと荷造りは、思っている以上に体力を使う

押入れの奥や天袋、普段は使わない部屋まで確認していくと、しゃがむ、立つ、持ち上げるといった動作が何度も続きます。重い物を無理に動かせば、腰や膝、関節に負担がかかります。

ご本人が「自分でやらないと気が済まない」と頑張りすぎることもあります。家の中の物には、それぞれに思い入れがありますから、単純に業者へ任せればよいという話でもありません。

引越し先での荷解きも同じです。どこに何があるのか分からない状態で生活を始め、工事が終われば、もう一度荷造りと荷解きを行います。二度の引越しは、二度の大仕事です。

3-2. 家族に頼る側の気疲れもある

親世代の住まいを心配する子世代にとっても、仮住まいは簡単な問題ではありません。手伝いたいと思っても、仕事や家庭があれば、何日も予定を空けることは難しいものです。

反対に、ご本人は子どもに迷惑をかけたくないと考え、無理をしてしまうことがあります。身体的な疲れだけでなく、頼ることへの遠慮や、予定を合わせる気苦労も負担になります。

4. 慣れない住環境を単なる不便にしない

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仮住まいでは、これまで当たり前だった暮らし方が変わります。トイレまでの距離、浴室の段差、寝室の位置、夜に起きたときの明るさ。住み慣れた家では意識しなかったことが、急に気になるようになります。

4-1. 環境の変化が心身に及ぼすこと

引越しなどで生活環境が大きく変わったとき、心身の調子を崩すことを、リロケーション・ダメージと呼ぶことがあります。難しい言葉ですが、簡単に言えば、住み慣れない環境に移ることで受ける強いストレスのことです。

眠りが浅くなったり、食欲が落ちたり、何となく落ち着かない日が続いたりすることもあります。高齢者の方の場合は、こうした変化を単なる不便で片付けないほうがよいと私は考えています。

特に夜中にトイレへ行くときは、間取りや段差に慣れていないことで転倒への不安も出てきます。仮住まいを選ぶときに設備や立地を確認しても、実際に暮らしてみないと分からないことはあります。

4-2. 自宅には、長年かけて身についた安心がある

自宅には、手すりの位置も、床のきしむ場所も、朝の日当たりもあります。そこに暮らしてきた時間そのものが、安心につながっています。

リフォームの期間だけだから我慢すればよい、と考えることもできます。とはいえ、その期間を毎日過ごすのはご本人です。住み慣れた環境を離れないことにも価値があると思います。

有名なテレビのリフォーム番組で、解体する家を見て、涙を流されるオーナー様の姿を見たことがございませんか?
古いから壊したらいい、そう簡単には言えない(実は本人さえも気づいていない)思い出が、家にはあるんですよね。

 

5. 急いで借りた寒い仮住まいへの心配

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断熱リフォームを考える方は、もともと自宅の寒さに悩んでいる場合が多いです。それなのに、急いで探した仮住まいが寒い部屋だったらどうでしょうか。

賃貸住宅は、短期間だけ借りることを前提に選ぶため、日当たりや窓まわり、浴室・脱衣所の温度まで十分に確かめられないことがあります。内覧した日は暖かくても、真冬の朝や夜の冷え方までは分かりません。

寒い部屋と暖かい浴室を行き来すれば、血圧の変動やヒートショックが心配になります。もちろん、すべての仮住まいが寒いわけではありません。ただ、ただでさえ寒さを解決するための工事なのに、工事中の住まいで同じ悩みを抱えることは避けたいところです。

仮住まい探しは、空室があるか、工事日程に合うかにも左右されます。だからこそ、仮住まいを前提にしない工事が可能かを、計画の早い段階で考えておくことが大事です。

6. 住みながら進める高断熱リフォームという選択肢

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断熱リフォームは、必ず家全体を大きく解体しなければできないものではありません。家の状態や施工する場所によっては、生活スペースをできるだけ維持しながら進められる方法があります。

私たちは、内装を壊さず、そのままの状態で断熱リフォームする工法を「そのまんま断熱」と呼んでいます。すべての家で同じようにできるわけではありませんが、まずは壊さずにできる方法をできるかぎり検討します。

もちろん、住みながら工事を進める場合も、工事の音や職人の出入り、家具の移動など、生活への影響がまったくないわけではありません。それでも、仮住まいへの引越しを避けられれば、毎日の暮らしの土台は自宅に残せます。

じゃあ、解体をしないなら性能をあきらめるのかといえば、そうではありません。どこに断熱を入れるか、どこで空気の流れを止めるか、何から優先するかを家ごとに考えることで、改善を目指すことはできます。

7. 仮住まい費用を断熱性能の充実へ回す

高齢者 デメリットの仮住まい費用を断熱性能の充実へ回すを表す図解イラスト

リフォームでは、理想と現実のバランスを考えなければなりません。物価が上がるなかで、費用を抑えながら暑さや寒さの悩みを解決したいと思うのは当たり前です。

大規模な解体と仮住まいが必要な工事が適している家もあります。その方法を否定するつもりはありません。ただ、仮住まいの家賃や引越し、保管に使う費用を、断熱性能の向上や家以外の費用へ回したほうがよい家もあります。

大切なのは、見た目の工事規模ではなく、その家にとってのコストパフォーマンスです。壊しすぎず、暮らしを止めず、必要なところに費用を使う。その考え方が、ご本人にも家族にも負担の少ないリフォームにつながると私は思います。

最後に重要なことなので、もういちど言わせてください。快適で健康な暮らしのための断熱リフォームでは、仮住まいで心身をすり減らさず、住みながら工事できる選択肢も検討すべきです。

ご自宅でどのような方法が考えられるか、まずは無料の断熱診断から始めてみてくださいね。

仮住まいの負担を減らす、壊しすぎない断熱リフォームの考え方はこちらの記事でもお伝えしています。